Japolatino

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耳をすませば
7



雩:

約束です...最初の讀者になって下さい...

 

地球屋主人 :

これは大長篇だ!

 

雩:

あの...いますぐ讀んでいただけませんか? 何時間でも待ってますから...

 

地球屋主人 :

しかし...せっかくの作品だから, 時間をかけて讀みたいがなぁ...

 

雩:

つまらなかったらすぐやめていいんです...いえ...ご迷惑でなかったら...
あの...ドキドキして, とても...

 

地球屋主人 :

わかりました...すぐ讀ませてもらいます...
さあ...火のそばへ...今日はひえこむ...

 

地球屋主人 :

これで...ジャマ者は來まい...

 

 

 

雩:

あの...あたし, 下の部屋で待ってちゃだめでしょうか?

 

地球屋主人 :

ン.......?

 

雩:

平氣です...ちっともさむくありません...

 

地球屋主人 :

フム...かまわんが...しかし...
(カチャ...キイ-...)

 

地球屋主人 :

こんなところで.....しずくさん...讀みましたよ...

 

雩:

..........

 

地球屋主人 :

ありがとう...とてもよかった...

 

雩:

ウソッ! ウソッ! 本當のことをいって下さい!
書きたいことがまとまってません...
後半なんかメチャクチャ...自分で判ってるんです!!

 

地球屋主人 :

そう...荒荒しくて率直で未完成で...聖司のバイオリンのようだ...

 

雩:

..........!?

 

地球屋主人 :

しずくさんのきり出したばかりの原石をしっかり見せてもらいました...
よく, がんばりましたね...あなたはすてきです...
あわてることはない...時間をかけてしっかりみがいて下さい...

 

雩:

わあああぁぁぁぁ...うあ~ん...あ~ん...えっえっ...

 

地球屋主人 :

サッ...ここはさむい, 中にお入り...

 

雩:

あたし...あたし...書いてみて判ったんです...
書きたいだけじゃだめなんだってこと...
もっと勉强しなきゃだめだって...でも...聖司君がどんどん先にいっちゃうから...
無理にでも書こうって...あたし...こわくて, こわくて...

 

地球屋主人 :

聖司をすいてくれてるんだね...
(ズズ...グス...フ~~~ッフ~~~ッ...ズズ...)

 

地球屋主人 :

味はどうかな?

 

雩:

おいしいです...

 

地球屋主人 :

聖司のときはラ-メンだったな...さいしょのバイオリンができた時さ...
それもジャンボ大盛だ...
(フ~~~ッフ~~~ッ...)

 

地球屋主人 :

やぁ...ありがとう...さて...どこまで話したかな?

 

雩:

ドイツに留學して町のカフェでバロンを見つけたって...

 

地球屋主人 :

そう...そう...メランコリックっていうのかな...この表情にひかれてね...
店の人にぜひゆずってほしいと申し出たんだ...でも...ことわられた...
この猫の男爵にはつれがいる...戀人同士をひきはなすことはできないってね...
一寸した修理に職人の元へもどしてある貴婦人の猫の人形の歸りをバロンは待って
いるっていうんだ...

 

雩:

それって, まるでわたしのつくった物語と...

 

地球屋主人 :

そうなんだ...不思議な類似だね...
歸國の日もせまっていたし, ぼくはあきらめようと思った...
その時ね, 一緖にいた女性が申し出てくれたんだ...
戀人の人形がもどって來たら, 彼女がひきとって,
二つの人形をきっと一緖にするからって...店の人もとうとう折れてね...
ぼくはバロンだけを
連れてドイツを離れることになった...
必ず迎えに來るからそれまで戀人の人形を
あずかってほしいと, その人に約束してね...
二つの人形が再會する時は...わたし達が再會する時だと...
それからすぐ戰爭がはじまってね...ぼくは約束をはたせなかった...
ようやく, その町に行けるようになってからずい分探したんだ...
しかし...その人の行方もバロンの戀人もとうとう判らなかった...

 

雩:

.....その人...おじいさんのたいせつな人だったんですね...

 

地球屋主人 :

追憶の中にしかいなかったバロンを,
しずくさんは希望の物語によみがえらせてくれたんだ...
そうだ...あれを...
(フア-...)

 

地球屋主人 :

さあ...手を出して...

 

雩:

..........!? あの...

 

地球屋主人 :

その石はあなたにふさわしい...さしあげます...
しっかり...自分の物語を書きあげて下さい...

 

雩:

...ハイ...
(ブオオオオオオ...キイ...ガチャ...)

 

雩:

ありがとうございました...
(ブオオオオオオ...)

 

雩:

さよなら...

 

 

 

雩:

ただいま...

 

母:

おかえり...

 

雩:

お父さんは?

 

母:

おフロ...あなた, いま 何時だと思ってるの...

 

雩:

ご心配をおかけしました...今日からとりあえず受驗生にもどります...
ご安心下さい...

 

母:

アラ.....!? じゃ...ためしとやらがおわったのね...

 

雩:

とりあえずね...

 

母:

ごはんは? カレ-あるよ...

 

雩:

いい-ッ...

 

母:

フ-ン...とりあえずか...

 

雩:

フ-ッ...

 

父:

しずく入るぞ...フロに入れ...戰士の休息だな...
よいしょっと...
(チチチ.......カラッ...チチ..........)

 

雩:

はあァ-...

 

雩:

.....!!...ウ...ウソ.....ま...まってて.....

 

聖司 :

奇蹟だ! 本當に會えた...

 

雩:

ゆ, 夢じゃないよね...

 

聖司 :

飛行機を一日はやくしたんだ...
のれよ...あっ...ちょいまち...それじゃさむいぞ...

 

雩:

ア.......

 

聖司 :

さあ, のった...

 

雩:

あたしコ-トとってくる...

 

聖司 :

時間がないんだ...さあのって...しっかりつかまってろ...
しずくにはやく會いたくてさ...何度も心の中でよんだんだ! しずく-って...
そしたらさァ...本當にしずくが顔出すんだもん...すごいよ俺達!!!

 

雩:

あたしも會いたかった...まだ夢みたい...
(シャアアアア.....ブオオオオ.....シャアアアア.....)

 

雩:

クレモ-ナはどうだった?

 

聖司 :

みるときくとは大ちがいさ...でもオレはやるよ...ワァ...明るくなって來たな...
(キイッ...シャアッ...シャアアアァァァァ...)

 

雩:

おりようか...?

 

聖司 :

大丈夫だ! おまえをのせて...坂道のぼるって...決めたんだ...

 

雩:

そんなのずるい!!!
お荷物だけなんてやだ!!! アッ!!! わたしだって役に立ちたいんだから!!!

 

聖司 :

わかった...たのむ!!! もう少しだ...
(ハア...ハア...ハア...ハア...ハア...ハア...ハア...ハア...)

 

聖司 :

しずく-っ!!! はやくのれ-っ!!!

 

雩:

う...うん.....
(シャアアアァァァァ...)

 

聖司 :

間にあった...

 

雩:

ワァ-...

 

聖司 :

もとうか...

 

雩:

ヘイキ...

 

聖司 :

こっち...

 

雩:

すご-い...朝もやでまるで海みたい...

 

聖司 :

ここ...オレのヒミツの場所なんだ...もうじきだぞ...
これを, しずくに見せたかったんだ...おじいちゃんからしずくのこときいてさ...
オレなにも應援しなかったから...自分のことばっかり考えてて...

 

雩:

ううん...聖司がいたからがんばれたの...
あたし背のびしてよかった...自分のこと, 前より少し判ったから...
あたしもっと勉强する...だから高校へもいこうって決めたの...

 

聖司 :

しずく...あのさ...

 

雩:

.......!?

 

聖司 :

オレ...いますぐってわけにはいかないけど...
オレと結婚してくれないか!!!
オレ, きっと一人前のバイオリンづくりになるから...
そしたら...

 

雩:

ウン...

 

聖司 :

ほんとうか!?

 

雩:

うれしい! そうなれたらいいなって思ってた...

 

聖司 :

そうかァ- ヤッタァ-!!!

 

雩:

まって...風つめたい...

 

聖司 :

しずく-! 大好きだ-!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ひとりぼ~っち...おそれず-に...生きようと...夢みて~た...
さみし-さ...押しこめ~~~て...强い自分を守っていこ-...
カントリ-ロ-ド この道 ず~~~っと ゆけば- あの街に- つづいて~~~る
氣がす-る- カントリ-ロ-ド......................................
あるきつか~れ....たたずむと うかんでくる ふるさとの ま~~~ち
おかを ま~~く さかの道~ そんな ぼく-を しかっている
カントリ-ロ-ド この道 ず~~~っと ゆけば- あの街に- つづいて~~~る
どんな くじけそうな 時だって 決して なみだは見せないで
心なしか 步調~~が はやくなっていく 思い出- けすため-
カントリ-ロ-ド この道 ふるさと-へ つづいても
ぼくは~ 行かない-さ 行けな-い カントリ-ロ-ド
カントリ-ロ-ド 明日は いつもの ぼくさ- かえりたい かえれない
さよなら カントリ-ロ-ド..........................................

 

________________________________________
Esto estaba al principio

 

[主な登場人物]

 

 

 

雩 :

月島 雩(つきしま しずく / 14歲).
中學(ちゅうがく)3年生(ねんせい). 本作(ほんさく)の主人公(しゅじんこう).
讀書(どくしょ)が大好(だいす)きな女(おんな)の子(こ).
好奇心旺盛(こうきしんおうせい).

 

 

 

雩の父 :

月島 靖也(つきしま せいや / 45歲).
圖書館(としょかん)で司書(ししょ)としてはたらいている.

 

 

 

雩の母 :

月島 朝子(つきしま あさこ / 43歲).
社會人學生(しゃかいじんがくせい)として大學院(だいがくいん)に學(まな)んで
いる.

 

 

 

雩の姉 :

月島 汐(つきしま しほ / 19歲).
大學生(だいがくせい). しっかり者(もの).

 

 

 

夕子 :

原田 夕子(はらだ ゆうこ / 14歲).
雩のクラスメイト. 戀(こい)の惱(なや)みを雩に相談(そうだん)する.

 

 

 

地球屋主人(ちきゅうやしゅじん) :

西 司朗(にししろう / 80歲)
アンティックショップ. 地球屋のオ-ナ-.

 

 

 

ム-ン :

雩が出會(であ)った, 電車(でんしゃ)に乘(の)るへんなネコ.

 

 

 

バロン :

雩がお氣(き)に入(い)りの地球屋にある猫(ねこ)の人形(にんぎょう).

 

 

 

杉村(すぎむら / 14歲) :

雩のクラスメイト.
明朗活潑(めいろうかっぱつ)な野球少年(やきゅうしょうねん).

 

 

 

天澤聖司(あまさわ せいじ / 15歲) :

ちょっとイヤミな男(おとこ)の子(こ).
雩の同級生(どうきゅうせい).
高校(こうこう)へ進學(しんがく)せず, バイオリン職人(しょくにん)になるため,
イタリアでの修行(しゅぎょう)を計畵(けいかく)している.

 

TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS.
< Words & Music by Bill Danoff, Taffy Nivert, and John Denver >
< (C) 1971 by CHERRY LANE MUSIC PUBLISHING CO.,INC. >
< Right for Japan controlled by EMI Music Publishing Japan Ltd. >

 

Country roads, take me home
To the place I belong
West Virginia, Mountain Mamma
Take me home, country road
Almost Heaven, West Virginia
Blue Ridge Mountains, Shenandoe River
Life is older, older than the trees
Younger than the mountain
Growing like a breeze
* Country roads,
take me home
To the place I belong
West Virginia, Mountain Mamma
Take me home, country road
以下省略

 

 

 

 

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