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男學生:
よくム-ンがさわらせたな... オイ... ム-ンよってかないのか?
雩:
あの猫ム-ンっていうの?
男學生:
ああ...滿月みたいだろ... だからム-ンってオレは呼んでるけどね...
(ワン...ワン...ワン...ワン...ワン...ワン...ワン...)
雩:
ム-ンはきみんちの猫じゃないの?
男學生:
あいつをひきとめるのはムリだよ...
他の家でお玉ってよばれてるのを見たことあるんだ...
ほかにもきっと名前があるよ...
雩:
フ-ン...渡り步いているんだ... そうかァ! ム-ンは電車で通勤しているのね!
男學生:
電車!?
雩:
そうなの!
ひとりで電車に乘ってたの... それで後をつけたらここへ來てしまったの...
そしたらすてきなお店があるでしょう... 物語の中みたいでドキドキしちゃった...
惡いこといっちゃったな... ム-ンにおまえかわいくないねっていっちゃった...
わたしそっくりだって...
男學生:
ム-ンがお前と!?
全然似てないよ!!! あ... あいつはもう半分花け猫だよ...
男學生/雩 :
おまえ...../あの.....
雩:
おじいさん元氣? ず-っとお店お休みだから 元氣かなって...
男學生:
ピンピンしてるよ... この店, へんな店だからあいてる方が少ないんだ...
雩:
そうなの...よかった...
窓からのぞいたら男爵が見えないんで, 賣れちゃったのかなって...
男學生:
ああ! あの猫の人形か... みる? こいよ...
ドアしめて...
雩:
わあ...... 空に浮いてるみたい...
男學生:
高所恐怖症?
雩:
ううん... 高い所すき... すてき...
男學生:
この瞬間がいちばんきれいに見えるんだよ... こっち...
男學生:
ちょうどいいや... そこにすわって...
雩:
時計がない...
男學生:
ああ! そこにあったやつ? 今日屆けにいったんだ...ここへこいよ...
雩:
賣れちゃったの...
男學生:
もともと修理の仕事だもん...
雩:
そうかァ... もう一度みたかったな...
男學生:
3年がかりでさ... 月島が弁當忘れた日にできたんだよ...
雩:
あっ! あのお弁當!!!
男學生:
判ってるよ... お前のじゃない事ぐらい... ここへ來て猫の眼の中を見てみな...
雩:
........
男學生:
はやくしろよ... 光がなくなるぜ...
雩:
はああ-っ!!!
男學生:
エンゲルスツィ-マ-... 天使の部屋っていうんだ...
布張りの時に職人が偶然つけた傷で出來るんだって...
雩:
きれいね...
男學生:
男爵はなくならないよ... おじいちゃんの寶物だもん...
雩:
たからもの?
男學生:
何か思い出があるみたいなんだ... いわないけどね...
すきなだけみてていいよ... オレ下にいるから...
電氣そこね... つけたかったらつけて...
雩:
ふしぎね... あなたのことず-っとセンから知っていたような氣がするの...
時時, 會いたくてたまらなくなるわ... きょうはなんだかとてもかなしそう...
(コソ...コソ...コソ...コソ-ォ...)
男學生:
ああ...もういいの?
雩:
ウ-ウン...ありがとう...
ねっ...それ...もしかしたらバイオリン作ってるの?
男學生:
あ? ああ...
雩:
みていい?
男學生:
.....ン...こうなるんだよ...
雩:
は? これ全部, 自分で作ったの? 手で?
男學生:
あたりまえだよ...
雩:
信じらんない!
男學生:
バイオリンは300年前に形が完成しているんだ...
あとは職人の腕で音のよしあしが決まるんだよ...
雩:
あれも全部作ったの?
男學生:
まさか... ここでバイオリンづくりの敎室もやっているがらさ...
雩:
でも... あなたのもあるんでしょ...
男學生:
.....ん
雩:
ねえ...どれ? どれ?
男學生:
あれ!
雩:
ワァ! これェ...?
すごいなァ... よくこんなの作れるね-... まるで魔法みたい...
男學生:
おまえな-... よくそういうハズカシイこと平氣でいえるよな...
雩:
あら...いいじゃない... 本當にそう思ったんだから...
男學生:
その位のもん, 誰でも作れるよ! まだ...ぜんぜんだめさ!
雩:
ねェ, バイオリンひけるんでしょ...
男學生:
.....まあね.
雩:
おねがい! きかせて... ちょっとでいいから...
男學生:
あのなァ~~~
雩:
おねがい! おねがい! おねが---い!!!
男學生:
ヨ-シ! そのかわりお前, うたえよ!
雩:
エッ!? だっ...だめよ! あたし音痴だもん!!!
男學生:
ちょうどいいじゃんか...
うたえよ...知ってる曲だからさァ...
雩:
ひとりぼ~っち... おそれず-に... 生きようと... 夢みて~た...
さみし-さ... 押しこめ~~~て... 强い自分を守っていこ-...
カントリ-ロ-ド この道 ず~~~っと ゆけば- あの街に- つづいて~~~る
氣がす-る- カントリ-ロ-ド...
どんな さ~みしい~~時だあって 決して 淚はみせないで-
心なしか 步調がはやくなっていく 思い出- 消すため-
カントリ-ロ-ド この道 故鄕-へ- つづいても- ばくは~ いかない-さ いけな~い
カントリ-ロ-ド...
カントリ-ロ-ド あしたは- いつも-の ぼくさ-
かえりた~い- かえれな~い- さよな~ら- カントリ-ロ-ド~~~~~
(ハハハハハハハハハハハハ...........)
(パチ...パチ...パチ...パチ...パチ...)
地球屋主人 :
イヤイヤ...愉快愉快...
雩:
月島しずくです... この間はありがとうございました...
地球屋主人 :
イヤ... おじょうさんには また會いたいなァと思ってました...
この二人はぼくの音樂仲間です...
一人 :
ナイス ボ-カァル! 例の時計が完成した時にいあわせた幸運な方ですな...
二人 :
聖司君に こんなかわいい友達がいたとはねェ...
雩:
エエッ!? セイジ!? あなた もしかして天澤聖司?
聖司 :
ああ...アレ? いってなかったっけ? おれの名前...
雩:
いってな-い!!! だって表に西って出てた...
聖司 :
あれはおじいちゃんの名前だよ... オレは天澤!
雩:
ひどい不意討ちだわ... 洞冗の生きうめよ... 空がおちてきたみたァい...
聖司 :
なに...バカなこといってんだよ... 名前なんてどうだっていいじゃないか...
雩:
よくな-い !!! 自分はフルネ-ムでよびすてにしておいて!
聖司 :
お前がきかないからいけないんだろ!
雩:
きくひまなんかなかったじゃなァい... ああ...天澤聖司ってわたしてっきり...
聖司 :
なんだよ...
雩:
やさしい...しずかな人だと思ってたの!
聖司 :
お前なァ本の讀みすぎだよ...
雩:
自分だっていっぱい讀んでるじゃない...!!!
(ハハハハハハハ......)
(カッ...カッ...カッ...カッ...カッ...)
雩:
ほんとに樂しかった...みんないい人達ね...
聖司 :
また來いよ, じいちゃん達よろこぶから...
雩:
きくだけならなァ... うたうのはつらいよ...
でも天澤君バイオリン上手だね, そっちへ進むの?
聖司 :
おれ位の奴は たくさんいるよ...
それよりおれさ, バイオリンづくりになりたいんだ...
雩:
そうかあ... もう, あんなに上手だもんね...
聖司 :
イタリアのクレモ-ナにバイオリン製作學校があるんだよ...
中學をでたら そこへ行きたいんだ...
雩:
.....!?... 高校... 行かないの?
聖司 :
家中が大反對! だから...まだどうなるか判らないけど...
おじいちゃんだけが味方してくれてるんだ...
(パアッ...ブオオオ-...)
雩:
すごいね... もう進路を決めてるなんて...
わたしなんか全然けんとうもつかない... 每日なんとなくすぎちゃうだけ...
聖司 :
おれだってまだ行けるって決まっちゃいないんだぜ... 每日, 親とケンカだもん...
いけたとしても本當に才能があるかどうか やってみないと判らないもんな...
.........おくってかなくていいの?
雩:
うん... もうそこだから... じゃあね...
聖司 :
あ.....つきしま-...
雩:
ン...なに?
聖司 :
お前さ, 詩の才能あるよ... さっき歌ったのもいいけど...
おれ... コンクリ-トロ-ドの方も好きだぜ...
雩:
なによっ... この前はやめろっていったくせに...
聖司 :
おれ... そんなこといったっけ?
雩:
いった-!!!
聖司 :
そうかあ...?
雩:
今日はありがとう... さようなら...
姉:
しずく...スタンド ちゃんと消しな! きのうつけっぱなしだったよ...
雩:
おねえちゃん...進路っていつ決めた?
姉:
エエッ?
雩:
し...ん...ろ...
姉:
あんた, 杉の宮 受けるんでしょう...
雩:
そうじゃなくって...
姉:
それを探すために 大學へ行ってるの...
雩:
フ-ン...
姉:
おやすみ...
雩:
おやすみ...
(ザアアァァァァ-...)
雩:
お母さんってば自分が休講だからって起きないんだから!
雩/杉村 :
...!!!.....
杉村 :
おはよう!
雩:
おはよう!
杉村 :
もっと... はやく走れ!
雩:
さ... 先行ってイイ!
(スタタッ...タタタタタ...)
(キ-ンコ-~ン...キ-ンコ-~ン...キ-ンコ-~ン........)
雩:
ヒャ~~~たすかったァ~~~~~
夕子 :
しずくっ... しずくっ... ひどい顔ねェ...
雩:
そういうあなたは立ち直り早いわねェ...
夕子 :
ゆうべ, よそのクラスの男の子と步いてたって?
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